開発ストーリー(お肌油分水分測定器:WSK-P500U)

コラム

創業の転機と、革新的な測定機の誕生

2000年、私たちは光通信技術を核とする企業として歩み始めました。しかし、その翌年に起こった9.11の影響で光通信市場は急落。事業存続のためには、新たな分野への挑戦が不可欠でした。

そんな中、市場調査を進めるうちに、化粧品業界のある課題が浮かび上がりました。それは「皮膚の油分・水分測定の再現性に対する課題」。既存の測定機は、測定者によって結果がばらつき、何度測定しても安定したデータが得られないという問題を抱えていたのです。

「私たちの光センシング技術なら、皮膚の水分・汗・油分を明確に見分けられるはずだ。そして、制御技術を駆使すれば、誰が測定しても同じ結果を得られる装置が作れる。」

そう確信した私たちは、未知の領域へと踏み出しました。

市場の声を反映した、使いやすさへのこだわり

当時、海外メーカーの測定機はすでに市場に出回っていましたが、研究用途に特化しており、化粧品カウンターで使用するには課題が多くありました。

  • サイズが大きすぎる
  • 水分・油分の測定ごとにセンサーヘッドを変えなければならない
  • 油分測定には消耗品が必要で、コストがかかる

さらに、研究機関からは以下のような声も上がっておりました。

  • 油分を吸着する方法での油分測定では微小油分の測定ができない
  • 同じ部位の繰り返し測定ができない

これらの課題を解決するために、私たちは 「小型で操作が簡単、かつ高精度な測定が可能な機器」 を目指し、わずか1年という短期間で WSK-P500U を開発しました。

世界に広がるWSK-P500Uの影響

開発から20年以上が経った今、WSK-P500Uは多くの化粧品メーカー様にご採用いただき、全国のショッピングモールにある化粧品売り場カウンターで、美容カウンセラーの皆様にご活用いただいています。今では、化粧品売り場で弊社の測定機を見ない日はないほど、広く浸透しています。 測定精度の高さは世界的にも評価され、弊社の機器を使用した研究論文も数多く発表されています。

モノづくりベンチャー企業として、私たちはこの成功を誇りに思うと同時に、お客様の声に寄り添い続けることの大切さを改めて実感しています。

これからも、お客様の課題を解決し、新しいアイデアをカタチにしていく。
その想いを胸に、私たちは挑戦を続けていきます。